BCP分析:サイバーテロに備えよ!PlayStation Networkに見る事例とソニー・ショック➂

サイバーテロ攻撃は、仮想世界の戦争である。
天才ハッカー集団がいれば、仮想世界から現実世界のシステムを破壊する事が可能となる近代戦のスーパーウェポンとなる。
PCオンラインゲームを運営する米Sony Online Entertainmentのシステムが外部からの不正侵入(サーバー攻撃)を受け、約2460万件の個人情報と1万2700件のクレジットカード/デビットカード番号が流出した可能性があることが2011年5月1日に判明したとソニーが発表した。
ソニーから流出した個人情報は、世界中で合計1億件を超えた。(PSNやオンライン音楽・映像サービス”キュリオシティ”から個人情報7700万件が流出)

※関連記事:ソニー、新たに2460万件の個人情報流出の可能性 PCオンラインゲームアカウントから
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1105/04/news002.html

筆者が懸念していたように、北米を中心に、ソニーを相手取り訴訟するケースが出てきている。

※関連記事:ソニー株急反落、不正アクセス問題による影響拡大-訴訟リスク(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aMsxDJuiHOR4
※関連記事:カナダでソニー提訴、840億円賠償請求
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4717476.html
※関連記事:ソニーの個人情報漏えい、NY州検事総長が召喚状を送付
http://japan.cnet.com/news/service/35002421/

被害は、ソニーだけに止まらない。
カード会社にもカード再発行手続きや、ソニーへの保険支払いなど金融機関にもサイバーテロの影響が波及する。

※関連記事:ソニー情報流出問題、カード会社に最大3億ドルの負担も
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-20887820110429
※関連記事:ソニー、個人情報流出で保険会社に支払い求める方針
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-20949420110505

今回のサーバーテロ攻撃を仕掛けたとされているのが、世界的なハッカー集団”アノニマス(Anonymous)”の攻撃に対する防衛が一因となり事件が発生したとソニー側は認識を示している。
しかし、ハッカー集団Anonymousを名乗る者が書簡を公開し、”PlayStation Network”に対する攻撃には、関与していないと主張している様である。
※関連記事:情報流出、「アノニマス」からの防衛が一因=ソニー
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-20938120110504
※関連記事:ハッカー集団Anonymous、PlayStation Network攻撃への関与を否定か
http://japan.cnet.com/news/service/35002424/
※関連記事:ソニー、ストリンガーCEOが情報流出問題で謝罪
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20952920110506
※関連記事:「アノニマス」が個人情報流出への関与否定、「ソニーは無能」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20957820110506

ソニーのハワード・ストリンガー代表執行役会長兼社長は、『ソニー三銃士の1人』平井一夫代表執行役副社長を次期社長候補の最有力候補とし、大多数のメディアも平井氏で決まりという認識をもっていた。
何故か?
平井氏は、久多良氏の後任としてゲーム事業を引き継ぎ、音楽系出身で米国駐在が長く(英語力が高い)、映画出身のストリンガー氏と最も意思疎通が出来ているとされている。

しかし、筆者の”ソニーの未来予測”について、ある海外メディアの電話取材を受け、その会話は「一見平井氏のハンドリングする事業が優位であるが、平井氏に決まったわけではない。デジタル家電系電子機器とネットワークサービス系事業のリスクは各々高い。テレビ⇒サムスン電子・LG電子・東芝・パナソニック、ムービー&カメラ⇒キヤノン・ニコン・サムスン、パナソニック、ゲーム機⇒マイクロソフト・任天王・アップル+スマートフォン、ソフト&ネットワークサービス⇒マイクロソフト・アップルからの囲い込み・ネットワークサービスは一番怖いのが”サイバーテロ”など。よって、平井氏側のリスク度が高い。対して、吉岡氏はデバイスのCMOSセンサー&モジュールとキラーデバイスを保有し、アップル社採用が決まればデバイス側が利益構造として優位になるだろう。その代わり、厚木圏を含めたソニーセミコンダクターの大改革を推進しなければならない。私に見えている未来のソニーの社長像は吉岡氏であり、ソニーは日本企業であり、主力のエンジニアは”日本人でり、日本人でなければソニーのDNAを覚醒させる事は出来jない。(元ソニー出身者として、また課す多くのソニー製品に搭載するASIC(カスタムLSI)を開発して来た人間としてもソニーの経営は日本人の手に取り戻す必要があるが筆者の持論)希望も含めて、私は吉岡氏にとって”良い風”が吹く」とコメントした。
一見過激に聞こえるコメントだが、冷静に事業リスク度を分析すると答えは導かれる。
あとは、その人の経営能力と盛田家を含む根回しの能力度である。
神輿に乗るには、神事と清めが必要である。

今回の個人情報流失が、ソニーの経営責任問題に発展すればどうなるか?
読者の皆さんもその先の未来は分かるでしょう。

※関連記事:ソニー“社長レース”平井氏、副社長昇格で最有力に!
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110310/ecn1103101641007-n1.htm
※関連記事:ソニー次期社長レースの号砲、平井SCE社長が最右翼、吉岡浩副社長の声も(1)
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/da2a62a415fc3b388736b8ef448a901d/

(⇒情報更新)
ソニー対して、ハッカーが再度サーバー攻撃を計画しているとCNET JAPANの記事に公開されている。
※重要記事:ソニーへの第3の攻撃、ハッカーグループが計画中か--情報筋
http://japan.cnet.com/news/service/35002434/
筆者の素朴な疑問だが、何故このハッカーグループはアップル社の”Apple Store ”のシステムをサイバー攻撃しないのだろう。
彼らには彼なりの道理があるのか?
または、国家的な日本国・日本企業を恫喝する為の陰謀なのか?
米国第32代フランクリン・D・ルーズベルト大統領の言葉で『世界的な事件は偶然起こる事は決してない。そうなるように、前持って仕組まれていたと・・・私は、あなたに賭けてもよい』。

(⇒情報更新)
※関連記事:ソニーのストリンガー会長の謝罪文(英語)
http://jp.wsj.com/IT/node_232372?mod=LatestAdBlock2

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