緊急分析:緊急分析:日本ハイテク企業の東日本大震災の影響度⑪

筆者が日本のメディア(半導体産業分野)の中で最も信頼し、最も日本で優秀なブルームバーグ社の中島記者の『東日本大震災 更新』の電機メーカー被災状況を非常に良くまとめた最新(情報更新)レポート第四弾である。

【ブルームバーグ社の最新報告書】
電機各社:東北・関東の工場、ソニー、ルネサス、キヤノン復旧一覧
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aTwcXxTXOa5s

【記者:中島三佳子】
4月6日(ブルームバーグ):東日本大震災発生後、東北・北関東などで工場の操業を停止した電機各社のうち、ソニー、ルネサスエレクトロニクス、キヤノン、パナソニックが6日夕までに工場の復旧状況などを発表した。
被災、停電、物流停滞が業績に与える影響はいまだ把握が困難で、日立製作所やパナソニックなど全社が「精査中」としている。
震災以来、鉄鋼・石油化学プラント、半導体、電子部品、液晶などのパネル、木材、ケーブル、電源装置などの生産活動や物流が全国的に停滞しているため、電機各社は必要な部材調達に苦労している。
ソニーは6日、海外の工場でも一部生産調整していることを明らかにした。
ブルームバーグ・ニュースが、各社の公表と取材に基づき集計した工場の操業・復旧状況などが変化した会社は、6日午後6時現在、以下の通り。
社名の右横に、停止中の拠点数を記した。

<ソニー>3から2に
DVDやブルーレイディスクにデータを保存・再生するのに必要な半導体レーザーの工場(宮城県白石市)が6日から一部生産を再開したと発表した。
リチウムイオン電池の工場(福島県本宮市)も停止しているが、月末までに順次、再開する見通しを初めて開示。磁気テープや各種ディスクなどの工場(宮城県多賀城市)は被災後停止したままで、設備点検や損傷の度合いを調査している。
ソニー本体と子会社の工場数は、国内25、海外29で計54。
海外の工場でも原材料や各種部品調達に影響が出ているため、拠点によっては一部で生産調整を実施していることも発表した。ただ、どの国・地域や製品で生産調整をどの程度しているかは開示していない。

<ルネサスエレクトロニクス>3から1に
半導体回路のシリコンウエハー上への焼き付けといった前工程の工場のうち、高崎工場(群馬県高崎市)と甲府工場(山梨県甲斐市)が5日から6日にかけて、生産を一部再開したと発表した。完全に停止しているのは那珂工場(茨城県ひたちなか市)のみ。
他の拠点は、部分的に再開またはその準備を進めている。
これとは別に、米カリフォルニア州で自動車用マイコンを生産するローズビル工場をドイツ企業へ売却すると3月31日に発表したことに関連して、国内の滋賀県大津市の工場で各種マイコンを生産するラインを新たに作る方針を決めた。
大津の工場は電力制御に使うパワー半導体や通信機器用半導体などを生産するが、夏までに試作品を提供できるよう設備を導入する。
自動車用を含む各種マイコンは熊本市に最大の拠点があるほか、売却する米工場で生産する半導体は、委託生産に切り替える。

<キヤノン>3から2に
デジタル一眼レフカメラ用の交換レンズなどの工場(栃木県宇都宮市)と、半導体製造用の露光装置(同)の2工場は4月中旬から順次、生産を再開予定で変わらず。レンズの光学材料の工場(茨城県結城市)は4日から一部再開したことを6日確認した。

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