緊急分析:日本ハイテク企業の東日本大震災の影響度⑧

ブルームバーグ社の続報情報である。
今回は、電子機器関連企業のレポートになっている。

【ブルームバーグ社の最新報告書】
※関連記事:電機各社:ソニー、パナソニックなど操業再開進む-震災復旧一覧(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aAHHbK..yYOI

4月1日(ブルームバーグ):電機各社は東日本大震災で被災や停電などに見舞われた工場の復旧を急いでいる。
ブルームバーグ・ニュースがまとめた、生産停止拠点の状況は1日午後5時現在で以下の通り。
前日から変化のあった企業が対象で、ソニーやパナソニックの再開が目立つ。

<ソニー>9から4に
放送用機器、デジタルカメラ、液晶テレビなどを製造する静岡、愛知、岐阜、大分各県の5工場が3月22日から部分的に操業していることが1日分かった。磁気テープ、ブルーレイディスク、半導体レーザーなどを手掛ける宮城の2工場と、リチウムイオン二次電池を手掛ける福島の2工場は依然として生産停止中。

<パナソニック>3から1に
光ピックアップ部品を手掛ける仙台工場(宮城県名取市)とデジカメの組み立てなどを行う福島工場(福島市)が1日に一部生産再開。
テレビ用液晶パネルの茂原工場(千葉県茂原市)は停止継続。

<キヤノン>4から3へ
大分県のデジカメ工場が予定通り1日に稼働を再開。
停止中の残り3工場のうち、宮崎県のコンパクトデジカメ工場は1日に社員の出勤だけを再開。レンズや関連部材などの2工場(栃木県と茨城県)は、4月中の生産再開を目指している。

<東芝>11日に1からゼロへ
半導体製造子会社の岩手東芝エレクトロニクスが11日から一部ラインで生産を再開する、と1日に発表した。

<日立製作所>1からゼロへ
エレベーターなどを製造している茨城県ひたちなか市の工場が3月30日に操業を一部再開していたことが、1日分かった。

【アーキテクトGD社によるサプライチェーン影響度評価】
下記データは、ブルームバーグ社の金融端末のリアルタイム性とDRAMeXchange社(メモリ価格動向調査では世界で最も信頼のおける台湾調査会社)が連動したデータベースをグラフ化したものである。
ブルームバーグ社の金融端末は、調査データベースとしても『史上最強』である。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、NANDフラッシュメモリのスポット価格は一部で今後の供
給減を懸念する動きが出たことから急騰中である。
NANDフラッシュメモリの2011年3月の平均価格は5~15%上昇中である。
このような状況下で、国内外の複数のNAND型フラッシュメモリメーカーで契約価格を据え置いたが、3月後半には同価格を上げ始めている。
信越半導体やSUMCOの300mmウェハメーカーの主力工場も稼働出来ない状況下であり、エルピーダメモリも7月までのウェハ確保は出来ているがその先は不透明である。
これから、NANDフラッシュメモリの争奪が始まり、ウェハ供給の先行きに対する不安なども含め価格は更に上昇をするとアーキテクトGD社では分析している。
特に、スマートフォンやデジタルカメラメーカー、タブレットPC、SSDメーカー(パソコン・サーバー)のプロキャメント側のプレシャーが厳しくなる。


【アップル社の危機管理能力の検証】
このブログ内でも電子部品の争奪合戦を予言したが、アップルは既に動いている。
下記記事で、読者の皆さんには検証して欲しい。

※関連記事:【台湾】アップル、供給を囲い込み:調達担当者を緊急派遣
http://nna.jp/free/tokuhou/110315_jpy/11/0323j.html

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