緊急分析:緊急分析:日本ハイテク企業の東日本大震災の影響度⑫

筆者が日本のメディア(半導体産業分野)の中で最も信頼し、最も日本で優秀なブルームバーグ社の中島記者チームの『東日本大震災 更新』の電機メーカー被災状況を非常に良くまとめた最新(情報更新)レポート第五弾である。

【ブルームバーグ社の最新報告書】
※関連記事:余震・停電でソニー、ニコン、富士通など工場停止-シャープは減産
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=ajFCMRcpWYuI

【記者:中島三佳子、白木真紀、安真理子】
4月8日(ブルームバーグ):東日本大震災発生後、東北・北関東にある電機各社の工場は順次復旧が進んでいたが、7日深夜に宮城県を中心とする広域で強い地震が発生したため、ソニー、富士通、ニコン、東京エレクトロンなどの工場が停電などで再び操業を停止した。

また、シャープは、液晶パネルなどを生産する主力工場(三重県亀山市)と、テレビ用大型液晶パネルの工場(大阪府堺市)で減産を実施している。減産の規模や期間など詳細は開示していない。
ブルームバーグ・ニュースが、各社の公表と取材に基づき、8日午後2時までに集計した、操業状況などが変化した工場は以下の通り。社名の右横に、操業停止中の拠点数を記した。

<ソニー>4拠点
光学部品やIC(集積回路)カードなどの2工場(宮城県登米市)が停電のため操業を一時停止した。大半の社員は自宅待機中。磁気テープや各種ディスクなどの工場(宮城県多賀城市)も停止中で変わらず。
リチウムイオン電池の工場(福島県本宮市)も停まっているが、余震と停電の影響は受けず、月末までに順次、操業を再開する。

<富士通>2拠点
半導体回路をシリコンウエハー上に焼き付けるなど前工程の工場(岩手県肝沢郡)が停電のため操業を停止したと発表。3日から一部操業を再開したばかりだった。
半導体製品の検査・組み立ての工場(宮城県柴田郡)は一時停止したが大きな被害はなかったため、8日中に再開予定。

<エルピーダメモリ>1拠点
半導体メモリーの組み立て・検査を行う後工程の工場(秋田市)が、停電のため操業を停止したと8日発表した。電力供給再開後、通常操業に戻す。
国内の前工程の主力工場(広島県東広島市)は通常操業を行っている。

<ニコン>2拠点
デジタル一眼レフカメラの上位機種を一部生産する工場(宮城県名取市)と半導体や液晶用の露光装置を生産する工場(宮城県刈田郡)の2拠点が操業を停止しており、被害状況を確認している。

<東京エレクトロン>3拠点
半導体製造に使われるプラズマエッチング装置などの工場(宮城県宮城郡)は停止中で変わらないが、7日夜の地震後、被害状況を確認中。熱処理製膜装置の工場(岩手県奥州市)など2工場は一部操業を再開したが、地震後は操業を停止しており、被害を受けたかどうか確認している。

<SUMCO>1拠点
シリコンウエハーメーカー世界2位。山形県の工場が停止中で復旧準備中だが、地震発生後も電力が供給されており、早期再開を目指す。
主力工場は九州各地(佐賀県伊万里市など)や台湾にあり、これらの拠点でバックアップ生産を始めることを検討している。

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