緊急分析:緊急分析:日本ハイテク企業の東日本大震災の影響度⑭

筆者が日本のメディア(半導体産業分野)の中で最も信頼し、最も日本で優秀なブルームバーグ社の中島記者チームの『東日本大震災 更新』の電機メーカー被災状況を非常に良くまとめた最新(情報更新)レポート第七弾である。

【ブルームバーグ社の最新報告書】
※関連記事:ソニー、TDK、東エレクなど復旧、電機各社の東北・関東工場(訂正)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=a5blM8evrmMw

【記者:中島三佳子、安真理子】
4月12日(ブルームバーグ):東日本大震災発生後、東北・北関東などで工場の操業を停止した電機各社のうち、ソニー、TDK、東京エレクトロン、NECなどの工場で復旧作業が進み、部分的に操業を再開または通常操業に戻っている。

ブルームバーグ・ニュースが、工場の復旧状況が変化した企業を各社の公表と取材に基づいて集計し、一覧にまとめた。12日午後6時現在で下記の通り。
社名の右横に、操業停止中の拠点数を記した。

<セイコーエプソン>3から1に  
スマートフォンなど各種電子機器に使われる人工水晶、カメラやメガネ用の金属部品などを作る工場(青森県八戸市)は、部分的に操業を再開した。
インクジェットプリンター用部品や半導体などの工場(山形県酒田市)は、11日から一部操業を再開。
各種精密部品の工場(秋田県湯沢市)は12日までに、全製品の生産を再開した。
震災以来、福島原発の避難エリア内にある水晶デバイスなどの工場(福島県南相馬市)は閉鎖中。
休暇中だった社員1人の死亡を確認した。

<SUMCO>1からゼロに  
半導体の基板材料であるシリコンウエハーを生産する工場(山形県米沢市)が、一部で操業を再開したと12日発表した。
主力工場は九州各地(佐賀県伊万里市など)や台湾にあり、これらの拠点でバックアップ生産を始める予定。

<エルピーダメモリ>1からゼロに  
半導体メモリーの組み立て・検査を行う後工程の工場(秋田市)が停電で操業を一時停止したが、9日午前から通常操業に復旧したと発表した。
国内の前工程の主力工場(広島県東広島市)は通常操業。

<ソニー>3から2に  
停電のため、光学部品やIC(集積回路)カードなどの工場(宮城県登米市)が停止中。磁気テープや各種ディスクなどの工場(宮城県多賀城市)は震災以来停止中だが、月末までに操業を再開予定。リチウムイオン電池などの工場(福島県本宮市)は7日から操業を部分再開したことを12日、確認した。

<TDK>1からゼロに  
携帯電話のサブパネルなどに使われる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の工場(茨城県北茨城市)が8日までに約50%が稼働を再開したと発表。
東北・北関東にある計24拠点のうち、一時操業停止したコンデンサー(蓄電器)や電子材料の工場は、通常操業や部分操業を再開している。

<東京エレクトロン>2拠点(操業再開時期を開示)  
半導体製造に使われるプラズマエッチング装置などの工場(宮城県宮城郡松島町)を、5月上旬に操業を再開する予定と発表した。
熱処理製膜装置の工場(岩手県奥州市)は今週中の一部復旧を見込んでいる。

<NEC>2からゼロに  
停電で一時停止した通信機器の工場(岩手県一関市)が12日から操業を再開した。
中小型液晶パネルの工場(秋田市)の工場は11日から部分再開した。夏場の電力不足対策では、複数の拠点で自家発電の利用に切り替えるほか、夏季休暇を輪番制で取ることなどを検討中。

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