緊急分析:SiCで完全リードする三菱電機、先行逃げ切りが出来なかったローム

三菱電機半導体は、今後SiCアプリケーションの巨大な潜在市場となる中国で、『SiCモジュール生産』を合弁事業を開始する。
福島第一原発事故以来、世界的な省エネ意識の高まりに伴い、インバーターエアコンを中心とした民生市場をはじめ、EV/HEV市場、一般産業市場、電鉄市場、再生可能エネルギー⇒太陽光・風力発電市場といった幅広い分野において、IGBT/SiC/GaNなどパワー半導体の需要は急成長を続けている。
三菱電機は、中国における製造委託先の捷敏電子(上海)有限公司と、パワー半導体モジュールの製造に関する合弁会社を設立した。
この新しい合弁会社『三菱電機捷敏功率半導体(合肥)有限公司』は、資本金は500万USドル(約4億2500万円)、出資比率は三菱電機が70%で、捷敏電子(上海)有限公司が20%、三菱電機(中国)有限公司が10%。
SiCで先行逃げ切り戦略を推進していたロームは、完全に三菱電機に追い越され、この先追いつく事は出来ないだろう。
何故なら、三菱電機はSiCアプリとなる内製システム(インバーターエアコン⇒業務用/民生、EV車、パワーコンディショナ、モーター、鉄道など)を保有し、最先端モジュール技術も確立している。
そして、技術力のみならず、中国企業へのモジュール生産技術指導力もある。
対するロームは、半導体企業でありモジュール化の技術力は弱く、ノウハウもない。
最大の弱点は、中国市場でもSiCモジュール生産(合弁)パートナーが未だいない事である。
何故、モジュールでなければならないのか?
このブログでは、答えは書かないでおこう。

※関連記事:三菱電機、パワー半導体モジュール製造の合弁会社を中国に設立
http://www.zaikei.co.jp/article/20110928/82030.html
※関連記事:電子立国ニッポン再生のカギは“SiC技術”だ
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/06/siliconeswatch06a.html

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