シリーズ6:ハイテク日本再起動計画の提言➁
▮日本ハイテク企業の主力ビジネスは、「機能材料・多機能モジュールメーカーとなれ!」
多くのマスコミは、日本ハイテク産業が完全に負けたに近い報道がなされている。
筆者の視点も読者の皆さんには、このマスコミ報道と同じように受け取られているかもしれないが、実は違うのである。
では、何が違うのか?
このハイテク産業界の未来予測は、『未来予測(予言)に基づいた警鐘』であり、そうならない為に、分析を加えて『戦略』を提唱しているのである。
前回のブログテーマの”シリーズ6:ハイテク日本再起動計画の提言➀”にも分析したが、電子機器ビジネスは、価格と利益の構造的には、完全にデフレモデル入っており、このモデルからはサービスを絡ませない単体機器では、東アジア企業には勝てない。
そして、米国ビジオ社の実績に見られるように、「ソニー、トヨタ」の”メイド・イン・ジャパン”のスーパーブランド神話が通用しなくなり、これに台頭する新興ブランドの「サムスン電子、LG電子、ノキア、ハイアール、BYD社」が中国・米国市場を背景に台頭化した。
唯一、コンスーマー機器分野で、”メイド・イン・ジャパン”のスーパーブランドが維持出来ているのは、「ニコンとキヤノン」のみであろう。
しかし、ユーザーニーズ(嗜好)の変化は、静止画のカメラでなく、動画主体のカメラ&デジタルムービーへとシフトしており、機能ハイブリッドがデジタルカメラ(コンパクト、ミラーレス)のコア技術となる。
ユーザーニーズからの分析からは、デジタルカメラとスマートフォンの「動画映像を撮像する行為」としては、製品競合しており、YouTubeやSNSなどに映像をアップロードするという視点ではスマートフォンが優位にある。
従来型スタンダローンのデジタルカメラもワイヤレスネットワーク対応の時代に乗り遅れる企業は、ガラパゴスの島に、孤独に取り残され絶滅することになる。
筆者の日本のデジタルカメラメーカーに警鐘してきたことが現実となる。
下記の記事がこのことを証明するものである。
※関連記事:AndroidがビューファインダーになるWiFiデジカメ、サムスン SH100
http://japanese.engadget.com/2011/01/04/android-wifi-sh100/
既に、現時点でのデジタル一眼の静止画の撮像能力は、次世代映像の4K2Kを超えているが、動画という機能ではこの高いはハードルを越えてはないない。
今、に4K2Kの映像実現に向けて積極的なのはキヤノンであろう。
日本は、この4K2Kの映像技術を武器に、新たなアプリケーション創出し、撮像機器とスマートTVの次世代技術として位置づけ、超圧縮技術の開発(この技術で、デファクトを取る)やビジネスモデル創出の積極投資を行うべきである。
※関連記事:CES2011:東芝、40インチ以上、4K2K対応の裸眼3Dテレビを発表
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/030/30383/
下記の評価分析報告書は、AGD社が昨年末に作成した「4K2K技術・競合企業動向調査報告書」の一部を今回ブログ内でデータ公開したい。
筆者が考えるには、日本デジタル機器産業界は、この領域しか韓国企業には勝てないと見ている。
今こそ、未来を見据えて「選択と集中+未来戦略」である。
※関連記事:Canon Expo 2010──超大型撮像素子や未来の会議に興奮
http://ascii.jp/elem/000/000/569/569339/index-2.html
話を戻して、日本ハイテク産業がまだ韓国に優位であることは、韓国政府が発表した貿易統計で分かる。
韓国からグローバル(日本市場を除く)輸出は、『製品(デバイス・電子機器・自動車)』である。
韓国の日本からの輸入は、主に『部品・機能素材』である。
まだ、このモジュールという分野は、あと3-5年は日本がポジショニング的には優位であるが、いずれはこの領域も奪われていくことになるだろう。
※関連記事:米、村田製の主張認めず サムスンとの特許紛争
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101223/fnc1012231059010-n1.htm
しかし、韓国側も現状の日本へのハイテク部品(材料)依存モデルが貿易収支の不均衡を生じさせていることは理解しており、(メモリ&ロジックデバイスと電子機器、リチウムイオン電池は完全に韓国製としてグローバルシェア確保済み)半導体・液晶製造装置、機能素材、ハイテク要素技術(モジュール、パワーデバイス、IPコア)を国産化を韓国政府の戦略的主導下で進められている。
日本企業は、この点をよく理解し、韓国と”中国市場を共に闘っていく”戦略的なビジネスパートナーとして付き合って行くための土台を再構築しておく必要がある。
既に、下記記事にあるように安全保障面ではこの関係が成立しつつある。
日本企業から韓国企業が一方的にビジネスを搾取するモデルでなく、共に開拓成長出来るモデル構築が急務であると考え(韓国の強みは、グローバル、新興国のマーケティング戦略構築と市場開拓であり、ここは日本は不得手である。逆に日本の強みは日本は匠のハイテクモジュール部品の安定供給と高品質・低コスト化手法である。日韓が本当に組む事が出来れば最強のパートナーリングである。)、筆者の希望は「あくまでも台頭な戦略的関係」が絶対条件である。
※関連記事:日韓が安全保障で共同宣言、「安保分野では初めて」―韓国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0104&f=politics_0104_007.shtml
※関連記事:韓国がベトナムや豪州などでレアアース開発、日本と協力も
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-18868320110104
【最新情報による検証】
(朝鮮日報の記事引用)、知識経済部が2日発表した「2010年の輸出入動向と2011年の見通し」によると、昨年の韓国の輸出は伝統的な工業国のイタリア、ベルギーを抜き、世界7位に浮上した。輸出入を合計した貿易規模でも、韓国は09年より順位を一つ上げ、世界9位となった。
昨年の韓国の輸出は前年比28.6%増の4674億ドルで、08年(4220億ドル)を上回り、過去最高を更新した。輸入は前年比32%増の4257億ドルだった。
その結果、昨年の貿易収支は417億ドルの黒字で、黒字幅は前年(404億ドル)の実績を上回り、過去最高となった。
輸出は09年に9位だったが、昨年は半導体、自動車など主力製品の好調で世界7位に浮上した。特に昨年の半導体輸出額は同63.3%増の507億ドルに達した。
以下、自動車部品(同62.6%増)、自動車(同39.3%増)、石油製品(同34.9%増)など大幅に増加した。しかし、携帯電話などの無線通信機器の輸出は、昨年上半期にスマートフォン(高機能携帯電話)で苦戦したため、同11.6%減にとどまった。
知識経済部は、今年の輸出を同9.8%増の5130億ドル、輸入を同14.6%増の4880億ドルとみている。
同部は「今年の輸出は、過去最高を記録した昨年と比べると、比較対象の数値が高い分、やや伸び悩むのではないか」と予測した。
貿易収支は原油を含む国際原材料価格の高騰で、輸入額が増加し、黒字規模が前年を160億ドル以上下回る250億ドルに落ち込むとみられる。
※関連記事:円高の逆説…対日貿易赤字が過去最大にhttp://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136437&servcode=300§code=300
本日、最後の評価分析として、サムスン電子李健煕会長の大胆なかつ素晴らしい「経営戦略」を披露する。
下記の中央日報の記事を是非お読み頂きたい。
日本企業の弱点は、既存モデルにしがみ付き、自らがそのビジネスを破壊し、新たな創造が出来ないこと、これ故に利益の源泉を生み出せないのである。
日本企業には、危機意識がなく、サムスン電子には常に未来を見据えて危機意識とゴール(未来の企業像)がある。
このことは、技術力の差でなく、未来志向の経営力とそれを裏付ける戦略マーケティング力(組織)の違いである。
※関連記事:李健煕会長「三星を代表する製品、10年以内に消える」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136333&servcode=300§code=300
多くのマスコミは、日本ハイテク産業が完全に負けたに近い報道がなされている。
筆者の視点も読者の皆さんには、このマスコミ報道と同じように受け取られているかもしれないが、実は違うのである。
では、何が違うのか?
このハイテク産業界の未来予測は、『未来予測(予言)に基づいた警鐘』であり、そうならない為に、分析を加えて『戦略』を提唱しているのである。
前回のブログテーマの”シリーズ6:ハイテク日本再起動計画の提言➀”にも分析したが、電子機器ビジネスは、価格と利益の構造的には、完全にデフレモデル入っており、このモデルからはサービスを絡ませない単体機器では、東アジア企業には勝てない。
そして、米国ビジオ社の実績に見られるように、「ソニー、トヨタ」の”メイド・イン・ジャパン”のスーパーブランド神話が通用しなくなり、これに台頭する新興ブランドの「サムスン電子、LG電子、ノキア、ハイアール、BYD社」が中国・米国市場を背景に台頭化した。
唯一、コンスーマー機器分野で、”メイド・イン・ジャパン”のスーパーブランドが維持出来ているのは、「ニコンとキヤノン」のみであろう。
しかし、ユーザーニーズ(嗜好)の変化は、静止画のカメラでなく、動画主体のカメラ&デジタルムービーへとシフトしており、機能ハイブリッドがデジタルカメラ(コンパクト、ミラーレス)のコア技術となる。
ユーザーニーズからの分析からは、デジタルカメラとスマートフォンの「動画映像を撮像する行為」としては、製品競合しており、YouTubeやSNSなどに映像をアップロードするという視点ではスマートフォンが優位にある。
従来型スタンダローンのデジタルカメラもワイヤレスネットワーク対応の時代に乗り遅れる企業は、ガラパゴスの島に、孤独に取り残され絶滅することになる。
筆者の日本のデジタルカメラメーカーに警鐘してきたことが現実となる。
下記の記事がこのことを証明するものである。
※関連記事:AndroidがビューファインダーになるWiFiデジカメ、サムスン SH100
http://japanese.engadget.com/2011/01/04/android-wifi-sh100/
既に、現時点でのデジタル一眼の静止画の撮像能力は、次世代映像の4K2Kを超えているが、動画という機能ではこの高いはハードルを越えてはないない。
今、に4K2Kの映像実現に向けて積極的なのはキヤノンであろう。
日本は、この4K2Kの映像技術を武器に、新たなアプリケーション創出し、撮像機器とスマートTVの次世代技術として位置づけ、超圧縮技術の開発(この技術で、デファクトを取る)やビジネスモデル創出の積極投資を行うべきである。
※関連記事:CES2011:東芝、40インチ以上、4K2K対応の裸眼3Dテレビを発表
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/030/30383/
下記の評価分析報告書は、AGD社が昨年末に作成した「4K2K技術・競合企業動向調査報告書」の一部を今回ブログ内でデータ公開したい。
筆者が考えるには、日本デジタル機器産業界は、この領域しか韓国企業には勝てないと見ている。
今こそ、未来を見据えて「選択と集中+未来戦略」である。
※関連記事:Canon Expo 2010──超大型撮像素子や未来の会議に興奮
http://ascii.jp/elem/000/000/569/569339/index-2.html
話を戻して、日本ハイテク産業がまだ韓国に優位であることは、韓国政府が発表した貿易統計で分かる。
韓国からグローバル(日本市場を除く)輸出は、『製品(デバイス・電子機器・自動車)』である。
韓国の日本からの輸入は、主に『部品・機能素材』である。
まだ、このモジュールという分野は、あと3-5年は日本がポジショニング的には優位であるが、いずれはこの領域も奪われていくことになるだろう。
※関連記事:米、村田製の主張認めず サムスンとの特許紛争
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101223/fnc1012231059010-n1.htm
しかし、韓国側も現状の日本へのハイテク部品(材料)依存モデルが貿易収支の不均衡を生じさせていることは理解しており、(メモリ&ロジックデバイスと電子機器、リチウムイオン電池は完全に韓国製としてグローバルシェア確保済み)半導体・液晶製造装置、機能素材、ハイテク要素技術(モジュール、パワーデバイス、IPコア)を国産化を韓国政府の戦略的主導下で進められている。
日本企業は、この点をよく理解し、韓国と”中国市場を共に闘っていく”戦略的なビジネスパートナーとして付き合って行くための土台を再構築しておく必要がある。
既に、下記記事にあるように安全保障面ではこの関係が成立しつつある。
日本企業から韓国企業が一方的にビジネスを搾取するモデルでなく、共に開拓成長出来るモデル構築が急務であると考え(韓国の強みは、グローバル、新興国のマーケティング戦略構築と市場開拓であり、ここは日本は不得手である。逆に日本の強みは日本は匠のハイテクモジュール部品の安定供給と高品質・低コスト化手法である。日韓が本当に組む事が出来れば最強のパートナーリングである。)、筆者の希望は「あくまでも台頭な戦略的関係」が絶対条件である。
※関連記事:日韓が安全保障で共同宣言、「安保分野では初めて」―韓国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0104&f=politics_0104_007.shtml
※関連記事:韓国がベトナムや豪州などでレアアース開発、日本と協力も
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-18868320110104
【最新情報による検証】
(朝鮮日報の記事引用)、知識経済部が2日発表した「2010年の輸出入動向と2011年の見通し」によると、昨年の韓国の輸出は伝統的な工業国のイタリア、ベルギーを抜き、世界7位に浮上した。輸出入を合計した貿易規模でも、韓国は09年より順位を一つ上げ、世界9位となった。
昨年の韓国の輸出は前年比28.6%増の4674億ドルで、08年(4220億ドル)を上回り、過去最高を更新した。輸入は前年比32%増の4257億ドルだった。
その結果、昨年の貿易収支は417億ドルの黒字で、黒字幅は前年(404億ドル)の実績を上回り、過去最高となった。
輸出は09年に9位だったが、昨年は半導体、自動車など主力製品の好調で世界7位に浮上した。特に昨年の半導体輸出額は同63.3%増の507億ドルに達した。
以下、自動車部品(同62.6%増)、自動車(同39.3%増)、石油製品(同34.9%増)など大幅に増加した。しかし、携帯電話などの無線通信機器の輸出は、昨年上半期にスマートフォン(高機能携帯電話)で苦戦したため、同11.6%減にとどまった。
知識経済部は、今年の輸出を同9.8%増の5130億ドル、輸入を同14.6%増の4880億ドルとみている。
同部は「今年の輸出は、過去最高を記録した昨年と比べると、比較対象の数値が高い分、やや伸び悩むのではないか」と予測した。
貿易収支は原油を含む国際原材料価格の高騰で、輸入額が増加し、黒字規模が前年を160億ドル以上下回る250億ドルに落ち込むとみられる。
※関連記事:円高の逆説…対日貿易赤字が過去最大にhttp://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136437&servcode=300§code=300
本日、最後の評価分析として、サムスン電子李健煕会長の大胆なかつ素晴らしい「経営戦略」を披露する。
下記の中央日報の記事を是非お読み頂きたい。
日本企業の弱点は、既存モデルにしがみ付き、自らがそのビジネスを破壊し、新たな創造が出来ないこと、これ故に利益の源泉を生み出せないのである。
日本企業には、危機意識がなく、サムスン電子には常に未来を見据えて危機意識とゴール(未来の企業像)がある。
このことは、技術力の差でなく、未来志向の経営力とそれを裏付ける戦略マーケティング力(組織)の違いである。
※関連記事:李健煕会長「三星を代表する製品、10年以内に消える」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136333&servcode=300§code=300