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2010年11月30日火曜日

シリーズ5:崩壊する日本ハイテク産業のエピローグ⑥

▮超小型組込みプロジェクター市場の立ち上りで、世界シェアを失うエプソンの予兆
デジタルカメラや携帯電話に、超小型組込みプロジェクターが搭載されたものは2008 年後半からリリースされたものの、未だエンドユーザーの認知度が低いのが実情である。
しかし、米国アップル社は近い将来、超小型組込みプロジェクターを全システムに搭載するという噂(同社特許申請には、明確にコンセプト提示)もあり、この分野は注目して置かねばならない。
現市場の評価は別にして、興味を示すユーザーは多く、従って潜在需要は大きい。
※関連記事:ピコプロジェクター内蔵『MacBook』:Apple社が特許申請
http://wiredvision.jp/news/201004/2010040620.html

超小型プロジェクターを搭載するシステムは、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、次世代コンセプトのポータブルゲーム機など。
詳細なAGD市場予測は、下記の図表に示す。
(筆者からのコメントとして、このデータは2007年時点予測シナリオであり、エマージング市場を導き出すモデルであるので、予測精度は追及しないようにして頂きたい。)
 超小型プロジェクターの部品供給メーカーとしては、米国TI社や台湾メーカーであり、トップシェアを誇るエプソンは、未参入分野である。

※関連記事:TI、nHD解像度の最新「DLP Pico」チップセットを発表
http://japan.cnet.com/news/business/story/0,3800104746,20419528,00.htm

エプソンにおけるプロジェクターのビジネス的なポジショニングは『最終製品(システム)』であり、部品ではない=部品事業には参入しないということである。
どのビジネスモデルが拡大するを見極め出来きないのが日本企業の特徴でもある。
日本電機メーカーが仮に生き残れる処方箋があるとするならば、最終製品にフォーカスするのではなく、部品メーカー(モジュール)に徹することも1つである。
筆者からすれば、未来有望なこの部品事業分野に、エプソンが未だ参入していないのが不思議なくらいである。
※関連記事:エプソンのビジネスプロジェクターが前年比2.5倍へ急成長した理由
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/20100712_379337.html
※関連記事:エプソン、新カラリオでシェア51%を目指す ~使いやすさを売りに複合機の買い換えを促進(出荷台数実績データあり)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100903_391237.html
※関連記事:『組み込み型プロジェクターは、複数人で動画や画像をシェアする用途に興味あり:エンドユーザーサーベイ結果から』 ⇒(ユーザー調査データあり)
下記4点の図表は、2007年時点でのAGD独自の評価分析の結果をまとめたものである。
(ユーザーの利用シーン、世界予測、ターゲット市場設定=仮説シナリオ、アプリ別予測)
デジタルカメラ(第一世代COOLPIX1000pi)に、容積2ccの超小型プロジェクター内蔵した製品を世界初として、発売したのは、ニコンである。
既に第二世代版(COOLPIX S1100pj)が市場に投入されている。
他のアプリとしては、スタンダーロン型超小型プロジェクターは、台湾メーカーから数多く製品化されており、日本としてはNTTドコモ(富士通製)のセパレート携帯にDLP Picoが採用されている。

※関連記事:ニコンからプロジェクター内蔵デジタルカメラの新モデル『COOLPIX S1100pj』発売へ
http://getnews.jp/archives/73362
※関連記事:「docomo PRIME series™ F-04B」向け「プロジェクターユニット F01」新発売
いつでもどこでも最大66インチの大画面で楽しめるプロジェクター
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/04/22-2.html
※関連記事:Samsung Galaxy Beam: world's first Android projector phone on sale in July
http://www.engadget.com/2010/06/15/samsung-galaxy-beam-worlds-first-android-projector-phone-on-sa/

この製品分野に、世界で最初に製品化した『ニコン経営陣と技術陣』には、読者の皆さんは、この勇気に賞賛すべきであろう。
蓮舫行革刷新担当大臣によるスーパーコンピュータの事業仕訳での有名な発言に、「日本は世界一でなければならないのですか?」ということを読者の皆さんも蓮舫語録として、記憶の片隅に残っているだろう。
答えは、世界一(世界初・業界初)でなければならない。
ハイテク分野は、常に、独創的なコンセプト&技術で世界一(世界初)でなければ、絶対に先行者利益を確保出来ない世界である。
しかし、この先行者利益を生みだすには、戦略と市場に対する啓蒙がセットでなければならない。
今、ニコンに欠如していることは、ユーザーに対する積極的な啓蒙(新しいライフスタイルを自らが作り上げるという意志)である。
世の中に、DLPプロジェクターが存在していなかった時代、TI社がこのDLP技術を世界に普及させるために、リファレンスボード、アプリ創出(コンサルライクな提案)、サプラィチーンの構築まで行った事例を日本企業は、謙虚に学ぶべきである。
ニコンの超小型プロジェクター搭載のデジタルカメラの基本コンセプト・イメージは、撮影した写真や動画を旅行先などその場で壁などに投影し、友人や家族(暗い寝室)などと一緒に鑑賞するという新しい楽しみ方を提案したものだろう。
技術的視点でTeardown的な評価分析するとニコン独自開発の超小型プロジェクターの明るさを第一世代版の10ルーメンから第二世代14ルーメンに40%向上し、最長投映距離は2m40cm、最大投映サイズは47型まで対応している。
ビジネス的シーンの領域まで拡大させるには、最低100ルーメンは必要である考えているので、超小型プロジェクターの技術としては、ここに革新的な技術のブレークスルーが絶対に必要となる。
普及帯の製品として改善するには、発熱(エネルギーロス=消費電力削減)、更なる小型化、高輝度LED&光源のレーザー化(安全性担保)、ACレスのワイヤレス給電システム化を図るべきであろう。

このブログにも記したが、破壊的イノベーション(想像・創造)と技術者魂(志)が今のサラリーマン社会構造における日本企業には、無いのである。

【過去ブログ:↑上記コメントへの詳細提言】
2010年5月21日金曜日 シリーズ1:日本半導体産業復活への処方箋⑤
▮「過去の常識」の全否定こそ、勝ち組企業への方程式