シリーズ5:崩壊する日本ハイテク産業のエピローグ➃
▮成熟産業から斜陽産業化へと変わる半導体製造業界、それと連動する『サンセット・ジャパンセミコンダクター(日本半導体企業)』と影響を受けるサプラィチーン
今回は、読者の皆さんのために、AGDの見解とデータなど公開しながら評価分析して行きましょう。
2006年は、恐らく日本半導体産業(大手企業再編前)としては、完全凋落前の最後ピークの時期とであったはずである。
このピーク時点での日本半導体企業と海外企業の優劣、その差が何であるかとAGDが分析評価していた。(現在は、日本半導体企業を取り巻く環境更に悪化している)
日本半導体企業で、売上とマーケティング力で、良い成績を収めているのが『ローム(OKIセミ買収前』である。
上記ベンチマークの結果のように、マーケティング力が高い(明確なる戦略と組織力)企業が高い売上高と高い利益率を生みだす。
海外リーディング企業で、利益率低いのは欧STマイクロエレクトロニクス社であった。
何故なら、同社は、日本半導体企業のように、デパート型ラインナップの半導体戦略で、他の海外企業のブテック型半導体モデルにシフトする前だからである。
下記の図表からルネサスエレクトロニクスの半導体製品は、多くの分野で重複している事が分かるだろう。(富士通マイクロエレクトロニクス株式会社は、富士通セミコンダクター株式会社に社名変更されている)
そして、日本半導体企業は、日本企業同士の半導体製品が同じセグメンテーションで競合し、お互いに争い、収益構造を悪化させている。
これは、日本企業(日本人)同士が、内ゲバ的な状態にあり、本来海外半導体企業相手にグローバルで戦争(経済・デザインウィン)をしなければならないのに、全くこれが出来ていないのである。
2010年11月18日のブルームバーグ社の単独インタビュー記事を見ると、「東芝を1つの事例」に衰退する日本半導体製造業界と半導体企業の未来像がくっきりと浮かび上がった。
筆者が東芝セミコンダクター社長のインタビュー(戦略)を読み解く限り、現実に即した攻めの経営であり、評価出来る業界へのメッセージである。
※関連記事:東芝:フラッシュ工場1棟を閉鎖、最先端に集中-収益向上(Update1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=alb6zU8lJLZ4
【↑ 検証内容➀】
最先端システムLSI、外部委託生産 (記事の抜粋)
小林氏(半導体事業を手掛けるセミコンダクター社の小林清志社長)はまた、デジタル家電などに使われるシステムLSIに関して、最先端の製品を「11年度くらいから外部のファウンドリーにやってもらうことにした」と述べ、自社生産を見送る考えを明らかにした。これまで東芝はシステムLSIでは自前生産が中心だったが、事業方針を転換。今後は生産効率を考え、一部では外部委託を活用する。
半導体の研究開発と生産に巨額の投資を必要とする最先端製品の自前主義は資金面で多くの企業が限界に達している。最先端システムLSIでも、ソニーや富士通、ルネサスエレクトロニクスがすでに製造の外部委託の方針を決定した。東芝も事情は同じ。小林氏は、この点について「今は自前でやっているが、今後は変わるだろう。量産効果が得られないからだ」と述べた。
⇒
・これにより、SoCのロジック事業での先端プロセス開発、工場投資は行わず。
(最も影響の大きい分野は、ゼネコン、施設関連、露光装置、材料など製造装置業界であり、企業名はあえて公開はしない)
・日本半導体産業として、最先端プロセス開発(SoC)は完全にギブアップすることになる。
・外部活用企業は、IBMプラットフォームのチャータード・セミコンダクターやグローバルファウンドリーズ社となる可能性が大:ここで採用される次世代最先端プロセスとその露光装置は、蘭ASML社製(フィリップス社系)のEUVが本命となろう。
これは、下記の図表の半導体装置市場➂がその答えである。
ASML社は、欧州IMEC社と米国IBM社を巻き込んでの次世代プロセスプラットフォーム開発をこの数年行ってきた(このデータは2008年当時のものである)。
グローバル戦略なき日本、この時点で日本の露光装置業界の運命は決まっていたのである。
筆者は、2008年のAsia Innovation Initiative の国際会議で、IMEC社とIMEC社をモデレートとし、この点の追及と当社データを公開して、日本の露光装置(製造企業含む)のグローバルパートナーシップ上でのジャパンパッシングを指摘し、日本企業へ警鐘していた。
※関連記事:「半導体業界の今後~アジアの業界再編はどう進むか~」
http://www.aii21c.org/program.html
【過去の予言検証】
半導体ウォッチ(6)国内半導体業界に迫る衝撃の再編シナリオ 2007/12/17
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/06/siliconeswatch06a.html
下記のAGD独自評価分析の結果を示す。
海外・日本半導体企業の戦力(戦略に関して)に関する評価である。
いかに、今の日本半導体企業が弱体化しているかは、「戦略マーケティングの差(仕掛け仕組み作りできる人材)」である。
米国企業(GE、インテル、グーグル)や韓国企業(サムスン電子)、欧州(ジーメンス)の強さここにある。
そして、半導体業界再編は、そこに関わるサプラィチェーンの予測でありまさに今、ルネサスエレクトロニクスで、旧ルネサステクノロジ系商社と旧NECエレクトロニクス系商社で、アカウントの変更(商流)が起こっている。
代理店にとっては、企業存続にも繋がる生き死に関わることである。
AGDが考える日本ハイテク再成長戦略は、この10年は中国であり、新事業創出は、企業買収とアライアンスしかない。(5-7年先がインド、ブラジル、10年先がロシア、アフリカ)
未来の人類のために「地球環境のシステム」を維持するために、エレクトロニクス産業を抑制することも必要である。
これこそが、持続的成長モデルとなるエコ型サスティナビリティーである。
日本(企業)は、省エネルギー技術で世界に貢献し、尊敬される形でビジネスモデル化をすることである。
今回は、読者の皆さんのために、AGDの見解とデータなど公開しながら評価分析して行きましょう。
2006年は、恐らく日本半導体産業(大手企業再編前)としては、完全凋落前の最後ピークの時期とであったはずである。
このピーク時点での日本半導体企業と海外企業の優劣、その差が何であるかとAGDが分析評価していた。(現在は、日本半導体企業を取り巻く環境更に悪化している)
日本半導体企業で、売上とマーケティング力で、良い成績を収めているのが『ローム(OKIセミ買収前』である。
上記ベンチマークの結果のように、マーケティング力が高い(明確なる戦略と組織力)企業が高い売上高と高い利益率を生みだす。
海外リーディング企業で、利益率低いのは欧STマイクロエレクトロニクス社であった。
何故なら、同社は、日本半導体企業のように、デパート型ラインナップの半導体戦略で、他の海外企業のブテック型半導体モデルにシフトする前だからである。
下記の図表からルネサスエレクトロニクスの半導体製品は、多くの分野で重複している事が分かるだろう。(富士通マイクロエレクトロニクス株式会社は、富士通セミコンダクター株式会社に社名変更されている)
そして、日本半導体企業は、日本企業同士の半導体製品が同じセグメンテーションで競合し、お互いに争い、収益構造を悪化させている。
これは、日本企業(日本人)同士が、内ゲバ的な状態にあり、本来海外半導体企業相手にグローバルで戦争(経済・デザインウィン)をしなければならないのに、全くこれが出来ていないのである。
2010年11月18日のブルームバーグ社の単独インタビュー記事を見ると、「東芝を1つの事例」に衰退する日本半導体製造業界と半導体企業の未来像がくっきりと浮かび上がった。
筆者が東芝セミコンダクター社長のインタビュー(戦略)を読み解く限り、現実に即した攻めの経営であり、評価出来る業界へのメッセージである。
※関連記事:東芝:フラッシュ工場1棟を閉鎖、最先端に集中-収益向上(Update1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=alb6zU8lJLZ4
【↑ 検証内容➀】
最先端システムLSI、外部委託生産 (記事の抜粋)
小林氏(半導体事業を手掛けるセミコンダクター社の小林清志社長)はまた、デジタル家電などに使われるシステムLSIに関して、最先端の製品を「11年度くらいから外部のファウンドリーにやってもらうことにした」と述べ、自社生産を見送る考えを明らかにした。これまで東芝はシステムLSIでは自前生産が中心だったが、事業方針を転換。今後は生産効率を考え、一部では外部委託を活用する。
半導体の研究開発と生産に巨額の投資を必要とする最先端製品の自前主義は資金面で多くの企業が限界に達している。最先端システムLSIでも、ソニーや富士通、ルネサスエレクトロニクスがすでに製造の外部委託の方針を決定した。東芝も事情は同じ。小林氏は、この点について「今は自前でやっているが、今後は変わるだろう。量産効果が得られないからだ」と述べた。
⇒
・これにより、SoCのロジック事業での先端プロセス開発、工場投資は行わず。
(最も影響の大きい分野は、ゼネコン、施設関連、露光装置、材料など製造装置業界であり、企業名はあえて公開はしない)
・日本半導体産業として、最先端プロセス開発(SoC)は完全にギブアップすることになる。
・外部活用企業は、IBMプラットフォームのチャータード・セミコンダクターやグローバルファウンドリーズ社となる可能性が大:ここで採用される次世代最先端プロセスとその露光装置は、蘭ASML社製(フィリップス社系)のEUVが本命となろう。
これは、下記の図表の半導体装置市場➂がその答えである。
ASML社は、欧州IMEC社と米国IBM社を巻き込んでの次世代プロセスプラットフォーム開発をこの数年行ってきた(このデータは2008年当時のものである)。
グローバル戦略なき日本、この時点で日本の露光装置業界の運命は決まっていたのである。
筆者は、2008年のAsia Innovation Initiative の国際会議で、IMEC社とIMEC社をモデレートとし、この点の追及と当社データを公開して、日本の露光装置(製造企業含む)のグローバルパートナーシップ上でのジャパンパッシングを指摘し、日本企業へ警鐘していた。
※関連記事:「半導体業界の今後~アジアの業界再編はどう進むか~」
http://www.aii21c.org/program.html
【過去の予言検証】
半導体ウォッチ(6)国内半導体業界に迫る衝撃の再編シナリオ 2007/12/17
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/06/siliconeswatch06a.html
下記のAGD独自評価分析の結果を示す。
海外・日本半導体企業の戦力(戦略に関して)に関する評価である。
いかに、今の日本半導体企業が弱体化しているかは、「戦略マーケティングの差(仕掛け仕組み作りできる人材)」である。
米国企業(GE、インテル、グーグル)や韓国企業(サムスン電子)、欧州(ジーメンス)の強さここにある。
そして、半導体業界再編は、そこに関わるサプラィチェーンの予測でありまさに今、ルネサスエレクトロニクスで、旧ルネサステクノロジ系商社と旧NECエレクトロニクス系商社で、アカウントの変更(商流)が起こっている。
代理店にとっては、企業存続にも繋がる生き死に関わることである。
AGDが考える日本ハイテク再成長戦略は、この10年は中国であり、新事業創出は、企業買収とアライアンスしかない。(5-7年先がインド、ブラジル、10年先がロシア、アフリカ)
未来の人類のために「地球環境のシステム」を維持するために、エレクトロニクス産業を抑制することも必要である。
これこそが、持続的成長モデルとなるエコ型サスティナビリティーである。
日本(企業)は、省エネルギー技術で世界に貢献し、尊敬される形でビジネスモデル化をすることである。