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2012年9月24日月曜日

緊急分析:富士通セミコンダクターの本体切り離しと事業売却

このテーマは、既にFacebook内に分析を公開しています。

"Facebook内の分析"
日本半導体の終焉も近い、富士通半導体も売却へ向かう。
世界で日本だけが独り負けした「半導体」、世界はCAGR5%成長している産業であるはずなのだが...。

※関連記事:富士通、半導体事業売却でUBSをアドバイザーに-関係者
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MATX2B6JTSEI01.html

筆者の今日の取材インタビュー記事が記載されています。

※関連記事:富士通:半導体事業売却でUBSをアドバイザーに起用-関係者 (3)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MATX2B6JTSEI01.html

【過去の連載での提言を検証】
●半導体ウォッチ(6)
国内半導体業界に迫る衝撃の再編シナリオ2007/12/17
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/06/siliconeswatch06c.html

目指すべきは「偉大なる小国ニッポン」
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日本電機メーカー(半導体含む)が、根本的な改革を先送りしてきた代償は大きい。このまま何も策を講じなければ、国内半導体メーカーは総崩れの状況になる。タイム・リミットは2008年である。従来モデルの半導体好況サイクルのピークは、2006年であった。マイクロソフトによる新OS(Windows Vista)のリリースやオリンピック・イヤー(2008年北京大会)にも半導体の好況サイクルは来ない。
 当社が提示する処方箋は、世界で勝つために事業最適化を行った「日本電機メーカー再編」である。しかも弱者連合では不十分である。それでは、技術で戦う世界市場での国際競争に勝てないからである。従って、強者連合を軸とした日本電機メーカーの業界再編が不可欠になる。当社が最適だと考えるシナリオは次のとおリである。
 半導体事業に関しては、カーブアウト的な事業の切り出しが必要であろう。東芝は、総合電機メーカーとして、単独でも半導体事業を推進できるであろう。ここからは、産業アナリストとしての仮想シナリオである。メモリ(DRAM、フラッシュメモリ)の再編はほぼ完了し、日本半導体メーカーはロジック戦略をどうするのかが最大の命題である。

 その答えは、世界で戦える数少ない日本製アプリケーションとなった世界の自動車メーカーとなったトヨタ自動車と、同社にマイコンを供給するNECエレクトロニクスのマイコン事業の統合である。実際には、トヨタ自動車/デンソーによるNECエレクトロニクスの買収である。この買収によって、NECエレクトロニクスのV850系マイコン技術は「トヨタの後ろ盾がある自動車というキラー・アプリケーション」が得られ、フォーカスされた開発戦略と安定した財源の下、世界市場で戦いやすくなる。加えて、ハイブリッド車や電気自動車などの心臓部に使うSiCパワー系化合物半導体に対する開発投資の環境が整うだろう。

 さらに、自動車用マイコンとデジタル家電マイコンについては、ルネサステクノロジによる松下電器 産業半導体社の買収が最適だと考える。ルネサステクノロジのSHマイコン技術と、松下電器産業 半導体社の最先端製造技術を組み合わせれば、デンソー/NECエレクトロニクスに対抗できるセグメントを分けた強力な日本の巨大マイコン企業が誕生する。
 このほか、キヤノンによる富士通の半導体設計部門の吸収も効果的である。富士通が持つ画像処理などのシステム設計技術は、世界的に競争力が高い。キヤノンは、次世代型のDIGIC(ディジック=DigitalImagingIC)の開発も継続していく。経営が比較的うまいキヤノンがこの技術を取り込めば、大きな利益を生み出せるだろう。

 そして最後に、富士通に残った半導体製造部門を核として、日本半導体大手と準大手のチップ製造を一手に担うファウンドリ企業を誕生させるというシナリオである。ファウンドリの規模には課題が残るが、日本に半導体製造技術を残しておくという国策としても必要であろう。準大手の日本半導体メーカーは、カーブアウト手法による日本企業間での技術補完を行いながら、半導体製品のセグメント分けを行い、高収益な半導体製品を供給する組織へとスリム化する必要性がある。
 日本半導体業界が凋落した責任の所在は現場の技術者ではなく、経営者にあるのは明らかである。不遇な状況でも努力している技術者に報いるためにも、世界で必ず勝つ日本電機メーカーとして、業界再編を断行しなければならない。

 日本の伝統的な考え方によると、優れた経営者(または技術者)が理想に燃えて強いリーダーシップを発揮して、経済システムを引っ張っていかなければならない。いま取り組むべきことは「日本の技術者による、日本の技術者ための、日本企業の事業改革(日本電機メーカーの再編)」であり、当然ながら企業をサポートするシンクタンクも日本企業と日本人であることが絶対条件である。これを実現するためには、経営者と技術者がともに力を合わせて、早急に世界で戦う仕組みを作り上げていくことである。これそが、過去の経験から日本企業が学び取ったことであり、2008年以降に備えての進化した近未来のハイテク日本企業の姿である。そして、日本は偉大なる小国を目指すべきである。