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2010年5月20日木曜日

シリーズ1:日本半導体産業復活への処方箋➃

▮日本半導体企業の「マーケティング力」強化は一朝一夕には果たせない
「マーケティング力」それは元をたどれば、その企業を支える人の資質と潜在能力に帰着する。
組織図に戦略マーケティングを書き込むのは簡単にすぐ出来るが、その戦略マーケティング職務を執行するエグゼクティブ、マネジャー、マーケター各階層の人々がプロフェッショナルでない限り、その組織は無能力であり、組織解体は時間の問題と言える。
このようにならないためにも、まず各階層ごとにマーケティング・プロフェッショナルである人材を創育するのが先決である。

そして次の段階でこれらの人材によりマーケティングを組織化する。そのときには全体の組織体制も見直しを図り全体と個を最適設計する。
この新生マーケティングによる新組織体制の日本半導体企業は、海外リーディング半導体企業の強さの源泉がその企業のコア・コンピタンスとして新たに重装備される。

その時その企業の半導体ビジネスはすでに世界市場を戦略ドメインとして、オリジナル製品企画のASSP製品がその企業の半導体ビジネス成長の一躍を担うキー・プロダクトになり得るマーケティング戦略を実行できる企業となる。

この変革を理解しそれに裏書をするのは言うまでもなくトップ・マネジメントである。
もしトップ・マネジメントが後ろ向きであればすべて始らない。

▮調査会社を信じず、己を信じ、志を貫け
製造畑出身の日本半導体企業のトップマネージメントは、海外リーディング企業「戦略マーケティング組織、役割、責任、マーケッターの能力」の実態を把握出来ていない。
あくまでも、日本半導体企業から見たマーケティングは、単なる言葉だけなのである。
言葉だけの理解で、マーケティング組織を作っても「仏作って魂入れず」ということになる。
筆者の理解では、日本半導体企業ほとんど、この状態であろう。
これでは、真の戦略マーケティングを運用しない限り、この先何十年形式だけのマーケティング活動に時間を費やしても海外リーディング半導体企業には勝てないどころか、中国やインドの新興半導体企業にあっという間に、抜き去られてしまうことを予言しておこう。
もう1つの助言は、半導体企業のビジネス専門家たちが、実産業界で経験のないコンサルタント・調査会社の予測を容易に信じないことである。
日本人でただ一人エンツォ・フェラリーをデザインした奥山清行氏の『人生を決めた創造の1/10000』の著書の中でも、”リサーチはするな”の章を読んで頂きたい。
今の時代は、半導体技術の大きな違いはなく、違いが出る部分は特色の部分であり、そこで選らばれなければ、絶対に生き残ることはない。
奥山氏も同じ考えであるが、特色をどう出すかも考えずに、「何か伸びる市場はないか」と程度で、リサーチを行うのは、論外である。
自分たちが未来をどうしたいのか、そこから自分たちの作りたいもの、自社の技術(人材)で作れるものを確認し、製品コンセプトの方向性を決めた上で、その方向性を軸としたリサーチを行い、結果に基づいて修正を行うべきである。
そうしないと、ものづくりである”半導体(所詮、単なる電子部品にしか過ぎない)”の世界で生き残る手立ては、価格競争以外にはない。
大手の日本半導体企業は、この価格競争に世界にどっぷり浸かっており、デフレの中で収益構造が、いっこうに改善出来ない理由はここにある。