緊急分析:エルピーダメモリ破綻シナリオのシミュレーション

筆者とクライアントは、エルピーメモリの最悪シナリオを想定し、全てを想定内の準備と検証をしている。
これがプロキャメント戦略とベンダー選定手法である。
エルピーダメモリのキャッシュアウトのタイミングと同社のパラメータを複数シナリオとして検証済みである。
2012年3-4月に債務の920億円の償還しなければならない。
世界半導体市場の不況(タイ水害の影響含む)により、エルピーダメモリは、5四半期連続の赤字に転落し、資金はほぼ底を突いているのが実情であろう。
主な取引先に運転資金の支援を求めている状態が続いており、2012年に入りエルピーダメモリは、債権団と債務の借り換えや延長に関する交渉を進めてきたが難航しており、タイミングが悪く経済産業省審議官のエルピーダメモリ(NECエレクトロニクス)のインサーダ疑惑も浮上し、国の関与も極めて難しいであろう。
エルピーダメモリが救済されれば、それはそれで日本半導体産業界としては喜ばしい事であるが、民間企業を支援する上ででは、破綻を想定外とする事態は軍師には絶対に許されない。

※関連記事:UPDATE3: エルピーダ、「3月末までに合意見通し」を短信から削除、財務強化の協議に遅れ
http://sp.reuters.co.jp/article/marketsNews/idJPTK073202620120214
※関連記事:エルピーダ株最安値、支援合意まだで「重要な不確実性」-東京市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZERTC07SXKX01.html
※重要記事:Elpida rumored to be resuming tie-up talks with Toshiba
http://www.digitimes.com/news/a20120216PD209.html

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