シリーズ1:日本半導体産業復活への処方箋➁
ハイテク産業界における実務経験者が語る真の「戦略マーケティング」の必要性・重要性
▮「戦略マーケティング」による新業創出
日本エレクトロニクス産業界は技術力には優れるが、「戦略マーケティング」主導による事業価値創出力に欠ける。 事業価値をまったく創出できないままでは将来の存在自体が危ぶまれる。
ここが日本半導体産業の凋落の原因でもある。
技術系エグゼクティブ、マネジャー、および将来の候補者であるエースエンジニアたちが今こそ積極的に意識改革を図り、「戦略マーケティング」により価値ある事業を産出す事ができる企業体系へと変革すべき時なのである。
欧米の主要なハイテク企業の組織構造は、「戦略(的)マーケティング(Strategic Marketing)」を組み込んだものとなっている。
それは近年に始まったことではなく、早くは1980年代後半ごろにその組織構造を取り入れた先取企業も現れ、1990年代前半から「戦略マーケティング」を組み込むことが本格的に広まった。
本来的/本質的な「戦略マーケティング」を全社レベルでうまく機能させ回すことができる企業は市場での競合優位性・競争力を高めることができ、高利益創出力にも秀でることができる。
企業の持続的かつ利益的成長を実現するための第1ステップのソリューションとして「戦略マーケティング」について芯まで理解し、「戦略マーケティング」のソフト&ハードを企業・組織・人へ実装して企業パラダイムの変革をすることを当社(AGD)は是非とも提唱したい。
▮未来の新市場創出
「戦略マーケティング」の活動が未来の新市場を創出し、グローバルな新市場での勝者(No.1)となるためには必要であり、重要であることを強調する。
米Intel社がPC用MPUで、また 米TexasInstruments(TI)社が携帯電話用DSPで、それぞれ世界市場No.1の座を獲得できたのも「戦略マーケティング」が大きく貢献したからである。
他にも明快な事例を確認する事ができる。
社会・時代は常に変化していくが、その変化を生み出す根源はコンテキスト(人口、物価、エネルギー生産量、地球環境 etc)に帰属する。
もちろん技術革新により社会の変化を創り出せるがコンテキストはそれを包み込むのである。
新しい社会の到来により、そこに新しいアプリケーションが登場する。
そしてそのアプリケーションを実現するシステムのニーズがある。
さらにそのシステムを実現する新デバイスの開発が求められる。
またその時、そのシステムやデバイスを支える新技術が必要となる。
このように新しい社会の到来による新アプリケーションからブレイクダウンした新技術の価値的存在は確かなものとなる。最初に新技術ありきでは新市場が見つからないままValley of Death (死の谷)に葬られかねない。
「戦略マーケティング」は新しい社会の到来を洞察し、到来タイミングを読み、新しいアプリケーション市場の魅力度を評価する。
そのアプリケーション要件を満たすシステム/デバイスを企画し、市場形成シナリオ(戦略)を描くと共に高収益を生むビジネスをプランする。
そしてシナリオ(戦略)展開のための時間軸に即した戦略マーケティング活動計画を策定し、ユニットを組み着実に実行していく。
この時、戦略的ベスト・パートナーの選定をする事と新市場でのブランド確立を念頭に置く事が成功の鍵である。
このように将来の新市場における新規ビジネスを競合他社に先駆け立ち上げ、先駆者利益を得るために「戦略マーケティング」の活動は欠かせない。
▮次は“ヘルスケア”がターゲット
先進国で問題となっている”高齢化社会の到来”を取り上げる。
これは、ビジネス上ビッグ・チャンスであることに気づいているだろうか?
先進国でのヘルスケアへ関心を持つ人は、高齢化によりどんどん多くなるであろう。
米Intel社や米TI社、そして米Microsoft社は規制で守られていた医療業界へ一気に参入した。
例えば米TI社は、「本格的に立ち上がりつつあるメディカル・エレクトロニクス市場は、半導体業界全体にとって、新たな成長をもたらすけん引役(ドライバ)となる。
生命科学(ライフ・サイエンス)の分野はまだ歴史が浅いが、目覚ましい成長の機会を提供してくれる」としている。
同社は最近、新しく設置した「Medical Device Group」に、さまざまな部門からスタッフを投入している。
これは、成長過程にあるメディカル・エレクトロニクス市場特有の要求に対応する戦略である。
実際に同社は、人体への埋め込み用医療機器に向けた、処理速度が20~30MIPSのDSP開発に取り組んでいる。
“新しい社会”→”高齢化社会”、”新しいアプリケーション”→”メディカル・エレクトロニクス”、”新システム”→”人体への埋め込み用医療機器”、”新デバイス”→”処理速度が20~30MIPSのDSP”となり見事なまでにコンセプトと合致することが解る。
▮AGDの未来予測はリアルな未来からのバック・キャスティング
「戦略マーケティング」の起点は未来に置かれる。そして未来から現在を見渡す。
つまりバック・キャスティングである。そうすると今、現時点で未来に向けて戦略的に何をすべきか、何が不足しているのかがおのずと見えてくる。
決して現在からの延長線で未来を見通すものではない。
日本半導体企業が引き続きデジタル家電やモバイル、カーエレクトロニクス等のアプリケーション領域にフォーカスして半導体ビジネス成長実現を目指している状況下、海外有力半導体企業は前出のメディカル・エレクトロニクス分野以外にもユビキタス・ワイヤレス・センシング・ネットワーク、セキュリティ、省エネルギー、光、バイオなど将来とても有望な新市場分野開拓へ戦略的に動き出し始めている。
実に迅速なデシジョンとアクションである。日本半導体企業はこの動向を第3者的感覚で眺めていているだけでは2010年代のビジネス成長の機会を失うだけである。
未来市場での勝者が決まるのはまだこれからである。
未来からのバック・キャスティング能力を活用した「戦略マーケティング」センスを磨いて新規ビジネス@新市場の開拓へ果敢にチャレンジしていくことが切に望まれる。
AGDの「戦略マーケティング」は新しい社会の到来を洞察し、到来タイミングを読み、新しいアプリケーション市場の魅力度を評価する。そのアプリケーション要件を満たすシステム/デバイスを企画し、市場形成シナリオ(戦略)を描くと共に高収益を生むビジネスをプランする。
そしてシナリオ(戦略)展開のための時間軸に即した戦略マーケティング活動計画を策定し、ユニットを組み着実に実行していく。
▮AGD社の戦略マーケティングプログラム適用案件の事例
●SiC(シリコンカーバイド)戦略立案、M&Aプラン(ターゲット企業設定)、サプラィチーン構築、アプリケーションのデザインウィンプログラム
●SiC結晶技術開発のための研究所とのエンゲージ
●新コンセプトの加速度センサMEMS開発プログラム、M&Aプラン(ターゲット企業設定)
●国内研究機関への次世代MEMS技術開発プログラム、戦略
●米国大手半導体企業の事業展開(2008年時点)の戦略提供
●国内大手半導体企業事業改革と新ビジネス創出、ターゲットアプリケーション設定によるデザインウィン
●大手電装企業の事業立て直しのために大手自動車企業とのエンゲージプラン
●日本政府機関への半導体産業再編、再成長戦略
●大手化学メーカーの太陽電池事業参入の是非の判断
など
▮「戦略マーケティング」による新業創出
日本エレクトロニクス産業界は技術力には優れるが、「戦略マーケティング」主導による事業価値創出力に欠ける。 事業価値をまったく創出できないままでは将来の存在自体が危ぶまれる。
ここが日本半導体産業の凋落の原因でもある。
技術系エグゼクティブ、マネジャー、および将来の候補者であるエースエンジニアたちが今こそ積極的に意識改革を図り、「戦略マーケティング」により価値ある事業を産出す事ができる企業体系へと変革すべき時なのである。
欧米の主要なハイテク企業の組織構造は、「戦略(的)マーケティング(Strategic Marketing)」を組み込んだものとなっている。
それは近年に始まったことではなく、早くは1980年代後半ごろにその組織構造を取り入れた先取企業も現れ、1990年代前半から「戦略マーケティング」を組み込むことが本格的に広まった。
本来的/本質的な「戦略マーケティング」を全社レベルでうまく機能させ回すことができる企業は市場での競合優位性・競争力を高めることができ、高利益創出力にも秀でることができる。
企業の持続的かつ利益的成長を実現するための第1ステップのソリューションとして「戦略マーケティング」について芯まで理解し、「戦略マーケティング」のソフト&ハードを企業・組織・人へ実装して企業パラダイムの変革をすることを当社(AGD)は是非とも提唱したい。
▮未来の新市場創出
「戦略マーケティング」の活動が未来の新市場を創出し、グローバルな新市場での勝者(No.1)となるためには必要であり、重要であることを強調する。
米Intel社がPC用MPUで、また 米TexasInstruments(TI)社が携帯電話用DSPで、それぞれ世界市場No.1の座を獲得できたのも「戦略マーケティング」が大きく貢献したからである。
他にも明快な事例を確認する事ができる。
社会・時代は常に変化していくが、その変化を生み出す根源はコンテキスト(人口、物価、エネルギー生産量、地球環境 etc)に帰属する。
もちろん技術革新により社会の変化を創り出せるがコンテキストはそれを包み込むのである。
新しい社会の到来により、そこに新しいアプリケーションが登場する。
そしてそのアプリケーションを実現するシステムのニーズがある。
さらにそのシステムを実現する新デバイスの開発が求められる。
またその時、そのシステムやデバイスを支える新技術が必要となる。
このように新しい社会の到来による新アプリケーションからブレイクダウンした新技術の価値的存在は確かなものとなる。最初に新技術ありきでは新市場が見つからないままValley of Death (死の谷)に葬られかねない。
「戦略マーケティング」は新しい社会の到来を洞察し、到来タイミングを読み、新しいアプリケーション市場の魅力度を評価する。
そのアプリケーション要件を満たすシステム/デバイスを企画し、市場形成シナリオ(戦略)を描くと共に高収益を生むビジネスをプランする。
そしてシナリオ(戦略)展開のための時間軸に即した戦略マーケティング活動計画を策定し、ユニットを組み着実に実行していく。
この時、戦略的ベスト・パートナーの選定をする事と新市場でのブランド確立を念頭に置く事が成功の鍵である。
このように将来の新市場における新規ビジネスを競合他社に先駆け立ち上げ、先駆者利益を得るために「戦略マーケティング」の活動は欠かせない。
▮次は“ヘルスケア”がターゲット
先進国で問題となっている”高齢化社会の到来”を取り上げる。
これは、ビジネス上ビッグ・チャンスであることに気づいているだろうか?
先進国でのヘルスケアへ関心を持つ人は、高齢化によりどんどん多くなるであろう。
米Intel社や米TI社、そして米Microsoft社は規制で守られていた医療業界へ一気に参入した。
例えば米TI社は、「本格的に立ち上がりつつあるメディカル・エレクトロニクス市場は、半導体業界全体にとって、新たな成長をもたらすけん引役(ドライバ)となる。
生命科学(ライフ・サイエンス)の分野はまだ歴史が浅いが、目覚ましい成長の機会を提供してくれる」としている。
同社は最近、新しく設置した「Medical Device Group」に、さまざまな部門からスタッフを投入している。
これは、成長過程にあるメディカル・エレクトロニクス市場特有の要求に対応する戦略である。
実際に同社は、人体への埋め込み用医療機器に向けた、処理速度が20~30MIPSのDSP開発に取り組んでいる。
“新しい社会”→”高齢化社会”、”新しいアプリケーション”→”メディカル・エレクトロニクス”、”新システム”→”人体への埋め込み用医療機器”、”新デバイス”→”処理速度が20~30MIPSのDSP”となり見事なまでにコンセプトと合致することが解る。
▮AGDの未来予測はリアルな未来からのバック・キャスティング
「戦略マーケティング」の起点は未来に置かれる。そして未来から現在を見渡す。
つまりバック・キャスティングである。そうすると今、現時点で未来に向けて戦略的に何をすべきか、何が不足しているのかがおのずと見えてくる。
決して現在からの延長線で未来を見通すものではない。
日本半導体企業が引き続きデジタル家電やモバイル、カーエレクトロニクス等のアプリケーション領域にフォーカスして半導体ビジネス成長実現を目指している状況下、海外有力半導体企業は前出のメディカル・エレクトロニクス分野以外にもユビキタス・ワイヤレス・センシング・ネットワーク、セキュリティ、省エネルギー、光、バイオなど将来とても有望な新市場分野開拓へ戦略的に動き出し始めている。
実に迅速なデシジョンとアクションである。日本半導体企業はこの動向を第3者的感覚で眺めていているだけでは2010年代のビジネス成長の機会を失うだけである。
未来市場での勝者が決まるのはまだこれからである。
未来からのバック・キャスティング能力を活用した「戦略マーケティング」センスを磨いて新規ビジネス@新市場の開拓へ果敢にチャレンジしていくことが切に望まれる。
AGDの「戦略マーケティング」は新しい社会の到来を洞察し、到来タイミングを読み、新しいアプリケーション市場の魅力度を評価する。そのアプリケーション要件を満たすシステム/デバイスを企画し、市場形成シナリオ(戦略)を描くと共に高収益を生むビジネスをプランする。
そしてシナリオ(戦略)展開のための時間軸に即した戦略マーケティング活動計画を策定し、ユニットを組み着実に実行していく。
▮AGD社の戦略マーケティングプログラム適用案件の事例
●SiC(シリコンカーバイド)戦略立案、M&Aプラン(ターゲット企業設定)、サプラィチーン構築、アプリケーションのデザインウィンプログラム
●SiC結晶技術開発のための研究所とのエンゲージ
●新コンセプトの加速度センサMEMS開発プログラム、M&Aプラン(ターゲット企業設定)
●国内研究機関への次世代MEMS技術開発プログラム、戦略
●米国大手半導体企業の事業展開(2008年時点)の戦略提供
●国内大手半導体企業事業改革と新ビジネス創出、ターゲットアプリケーション設定によるデザインウィン
●大手電装企業の事業立て直しのために大手自動車企業とのエンゲージプラン
●日本政府機関への半導体産業再編、再成長戦略
●大手化学メーカーの太陽電池事業参入の是非の判断
など