緊急分析:東日本大震災から誘発される東海地区(世界)の地震⑥

2011年3月11日の東日本大震災で海底地殻の移動距離は、東南東24メートル(観測史上最大)という調査結果が海上保安庁から発表された。
地上の移動距離は、5メートルであった。
宮城県沖震源の海底の移動距離は、驚くものであり、隆起も3メートル。

※関連記事:東日本大震災:震源真上の宮城沖海底、24メートル移動 地殻変動を直接観測--海保http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110407ddm012040046000c.html

東日本~北関東⇒東京周辺のM4~M5級の余震は、この地殻変動(ズレ)の実測値から判断しても長期化するものと考えた方が自然だろう。
東日本地区のハイテク産業の工場も復旧作業を終え、操業開始しているが再度稼働停止せざる終えないリスクも半年以上抱えたままとなる。
グローバル電子機器企業・自動車企業は、"東日本地区拠点"の日本製部品リプレイスは、続くものとアーキテクトGD社では見ている。
これは、グローバル企業が持続的成長を続ける為のプロキャメント・サプライチェーンリスク回避は、戦略の鉄則なのである。
東日本大震災で経済的ダメージを受けているのは『日本のみ⇒部品調達の影響で世界にもボディーブロー的にジワジワと影響拡大⇒スーパー・リセッション現象を引き起こすシナリオ』であり、世界経済をけん引している新興市場は成長を続けている。
グローバル企業は、ビジネス機会を喪失しない様に、プロキャメント戦略を組み直し、リプレイス出来るベンダーを探索中である。
日本ハイテク産業界は地政学上(地震・福島第一原子力発電所事故)、潜在リスクの高い東日本地区から生産拠点を分散シフトさせながら、グローバル企業にこの戦略をきちんと説明していかないとビジネスを海外競合企業に奪われる事も警告しておきたい。
シリコンアイランド(九州)・中国地区(阪神淡路大震災以降)⇒東京からの交通アクセスが良く、水、人件費、工場用地、電力確保(原子力ベース)が容易などの経済理論優先の東日本地区への先端工場拠点作りが、完全に裏目に出た。
米国半導体メーカーであるフリースケール社は、宮城県仙台の拠点を復旧せず工場をクローズし、日本人社員に対しては退職プログラムのオプション提示を始めた。
これが、グローバル企業のしたたかさ(危機を経営側のチャンスに変える戦略)であり、経営判断スピードと危機管理能力の凄さである。

※関連記事:米半導体のフリースケール、仙台工場再開せず
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E2E4E2E49D8DE2E4E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=ALL


国内の半導体分野だけで見た場合、シリコンアイランドに最先端工場の拠点作りをしていたソニーセミコンダクターのみが東日本大震災の影響を受けていないのである。
過去の半導体工場で考えると三菱電機半導体(旧⇒現ルネサスも含む)もダメージがない。
三菱グループは、岩崎弥太郎のDNAを受け継いだ歴史ある企業であり、地政学も考慮されていよう。
筆者からのアドバイスとしては、火山・地震列島の日本で、"もの作り"を続けるのであれば『東西日本地区+海外EMS』でリスク分散しなければならない。

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