シリーズ5:崩壊する日本ハイテク産業のエピローグ➂

日本TVメーカーが、『諸刃の剣』の戦略にシフトするBD HDDレコーダー市場崩壊シナリオと検証
東芝液晶TV”レグザ”の急速なシェア拡大で、汎用のBD HDDレコーダー市場が一部崩壊(実は完全に)するだろう。
国内外の市場調査会社の市場データ(定義、データの切り分け、マーケットシェア)には、全く反映されていない。
これは、何を意味するか?
大容量型外付けHDDは、通常PC用に使用されていることが前提で、デジタル家電への使用(数量・価格予測など)目的での対象調査ではない。
今のデータの切り口では、調査会社の集めているセグメント別の市場予測データは、全く使い物にならない。

※関連記事:東芝参入でBDレコーダー市場はどうなる? - 2010年家電売れ筋・BCN分析(2)
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/01/14/092/index.html
よって、HDDサプラィチーンにいる関連企業は、使用目的(市場)の動向を把握しておく必要がある。
東芝は、液晶TVでは、後発参入企業である。
そして、BD戦争では完全に敗退した。
そのシェア拡大策として、戦略がユーザー側に立った”ベスト・ソリューションの提案”である。

【検証➀】
関連記事:
半導体ウォッチ(4)ニッポン電機メーカーを疲弊させる
次世代DVDの戦い2007/11/5
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/04/siliconeswatch04a.html

東芝は、アナログのブラウン管時代から”バズーカ”という商品でその技術力の高さは、放送業界(競合企業含む)や消費者からも認知されていた。
同社の強みは、絵作りとしてのTVシステム技術の蓄積と同社のノウハウで開発された超解像度技術画像エンジンの最先端ロジック半導体技術である。

※関連記事:あなたのレグザおすすめHDD
http://buffalo.jp/products/digitalkaden/regza/
流石「目の付けどころが違うシャープ」も最新ハイエンド機種”クワトロン(LX3,LV3)”で、東芝のレグザを追従する戦略を取っている。
しかし、シャープはこのことを大々的に発表していない。
今年のCEATEC JAPANでも、こっそり展示していたが、この戦略はユーザー視点では極めて正しいと言える。
※関連記事:クワトロン「LX3シリーズ」USB-HDD接続設定
http://www.famic.co.jp/item/lx3hdd/lx3hdd.html

【検証➁】
外付けHDDがバッファロー社の1.5TBが9800円(特価)+東芝のBDプレヤーやソニーPS3を組み合わせても29800~40000円でシステム構成出来る。
日本製のBD HDD レコーダー(2TB)で実現する費用は、15万円弱である。
これだけの価格ギャップがあれば、もう1台大型液晶TVが買えることになる。
確かに、機能リッチであるが一般ユーザーは、放送をHDDに録画したものを見て消去し、BD板に焼く作業をするのは、ハイエンド&マニア層のみであろう。

※関連記事:SD-BD2
http://www.toshiba.co.jp/regza/bd_dvd/lineup/sd-bd2/quality.html

【検証➂】本ブログの過去の記事
▮ソニーPS3好調の背景は「単なるハイエンド家庭用ゲーム機コンソール」でなくHDD DVD再生・記録装置としてのコンボ機器(外付けチューナーで2台目地上波デジタル対応HDD DVDレコーダー・ソリューション)
http://a-gd.blogspot.com/

今、外付けHDDは、4TB(正確には3TB)が販売されており、東芝のレグザの場合HUBで8台まで増設可能である。
この場合、4TB×8台=32TB、HDレートで3408時間録画可能となる。
(チューナのことは考慮する必要があるが、単純な録画機能では高品位かつ低コストのはずであるる)
今後、グーグルが推進するスマートTVの世界こそが、次世代の本命のTV市場(技術)となるとデジタル家電市場は大きく様変わりすることになる。
そして、液晶TVは、マルチ情報表示端末として、マルチウィンドウに文字・映像情報を表示する世界が訪れ、この時にパネル技術は4K2Kとなる。
当然、HDDは必須となり、しかも拡張性のある外付けであることが前提である。
1つ、AGDから外付けHDDメーカーに改善要求を提案する。
通常、忙しく(または裏番組を見たい)リアルタイムに見れないユーザーは録画したTV放送の映像は、多くは深夜に再生し、音量は低くして視聴することが多い。
ここで、問題が発生する。
気になるものが「耳障りな音」である。
これは、熱=電源ファンのノイズである。
映像と音とのリンクを考えると致命的である(PCの世界ではうるさくユーザーから言われない点)が、解決策は現在のファンを大型化し、HDDを5400回転で低速かつ静音に回すだけである。
これで、TVに接続するBD HDDレコーダー市場を一気に奪い取るが出来る。
(これ以外には著作権の問題があるが、これを説明するには面倒になるので、今回は省略することにする)

読者の皆さんは、今のビジネス常識がいつまでも通用すると思わない事が新たなビジネスチャンスを掴む事が出来ることである。

日本企業・技術は、未来市場獲得のために『破壊的創造者』になることをお勧めする。

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