シリーズ5:崩壊する日本ハイテク産業のエピローグ⑥
▮超小型組込みプロジェクター市場の立ち上りで、世界シェアを失うエプソンの予兆 デジタルカメラや携帯電話に、超小型組込みプロジェクターが搭載されたものは2008 年後半からリリースされたものの、未だエンドユーザーの認知度が低いのが実情である。 しかし、米国アップル社は近い将来、超小型組込みプロジェクターを全システムに搭載するという噂(同社特許申請には、明確にコンセプト提示)もあり、この分野は注目して置かねばならない。 現市場の評価は別にして、興味を示すユーザーは多く、従って潜在需要は大きい。 ※関連記事:ピコプロジェクター内蔵『MacBook』:Apple社が特許申請 http://wiredvision.jp/news/201004/2010040620.html 超小型プロジェクターを搭載するシステムは、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、次世代コンセプトのポータブルゲーム機など。 詳細なAGD市場予測は、下記の図表に示す。 (筆者からのコメントとして、このデータは2007年時点予測シナリオであり、エマージング市場を導き出すモデルであるので、予測精度は追及しないようにして頂きたい。) 超小型プロジェクターの部品供給メーカーとしては、米国TI社や台湾メーカーであり、トップシェアを誇るエプソンは、未参入分野である。 ※関連記事:TI、nHD解像度の最新「DLP Pico」チップセットを発表 http://japan.cnet.com/news/business/story/0,3800104746,20419528,00.htm エプソンにおけるプロジェクターのビジネス的なポジショニングは『最終製品(システム)』であり、部品ではない=部品事業には参入しないということである。 どのビジネスモデルが拡大するを見極め出来きないのが日本企業の特徴でもある。 日本電機メーカーが仮に生き残れる処方箋があるとするならば、最終製品にフォーカスするのではなく、部品メーカー(モジュール)に徹することも1つである。 筆者からすれば、未来有望なこの部品事業分野に、エプソンが未だ参入していないのが不思議なくらいである。 ※関連記事:エプソンのビジネスプロジェクターが前年比2.5倍へ急成長した理由 http://pc....